原状回復せずに売却!飲食店の居抜き売却・造作譲渡の流れ

原状回復無しで飲食店を引き払うことも可能

一般的な飲食店の閉店は、多大な労力と費用が掛かる大仕事です。
様々な手続きだけでなく、数百万円の資金も必要になります。原状回復も考えると最低数ヶ月、場合によっては1年以上時間が掛かりますが、原状回復をせずに物件を引き払うことも不可能ではありません。
いわゆる「居抜き物件」にすれば、ほとんど負担なく手放すことができるでしょう。

飲食店の居抜き売却とは?

不動産会社などへ行くと、飲食店向きの物件を紹介されますが、中には居抜き物件もあります。
居抜き売却は、お店の設備や内装を残した状態で他のオーナーへ売却する手段を指します。こうした状態の物件を居抜き物件と呼び、不動産会社が仲介を行っています。

居抜き売却は、旧オーナー・新オーナーともにメリットの大きな手段です。例えば以下のようなメリットを受けられます。

売り主(旧オーナー)

最低限の原状回復工事で済む
閉店に掛かる費用を最小限に抑えられる
造作譲渡料金を得られる

買い主(新オーナー)

最低限の費用で飲食店を開業できる
開業までに必要な期間を短縮できる
一から始めるよりも敷居が低くなる

いかがですか?どちらにとっても魅力的なメリットがあるのです。
なお、賃貸借契約中の飲食店であっても居抜き売却はできます。もちろん貸主の承諾が必須など注意点もありますが、閉店費用を抑えたいなら検討の余地があるでしょう。

居抜き売却の一般的な流れ

しかし、居抜き売却を自ら行うオーナーはいません。ほとんどの方は、専門業者や不動産会社などのプロへ依頼します。
プロへ任せてしまえば手続きも難しくはありません。売却は以下の流れで行われますが、そのほとんどは業者任せとなります。

①専門業者に依頼

まずは専門業者へ居抜き売却を相談してみましょう。現在は様々な居抜き売却の専門業者がありますが、問題なくスムーズな売却を進めるには、信頼できる業者の選定が必要です。
そのため、最初に専門業者へと相談し、信頼性を見極めることが重要です。
話を通じて、自分の希望・要望を聞き入れてくれるかチェックしてみましょう。

居抜き物件の売買実績も業者を選ぶ際の基準になります。できれば実績豊富な業者を選びましょう。実績が豊富な業者はノウハウがあり、安心して依頼できるからです。

②売却の相談と設備・内装を調査・査定

専門業者を選んだら売却に関して相談し、実際に売りたい店舗の調査や査定を行ってもらいましょう。居抜き売却も一般的な不動産売買と同じです。店舗の設備や内装を鑑定したり、立地を考慮して査定を行い、妥当な売却価格を決める必要があります。
周辺の土地相場から自分で価値を決めることもできますが、プロに鑑定してもらったほうが信頼性が高まります。

居抜き物件の調査・査定を行う時は、オーナーが譲渡品のリストを作成します。
内装はもちろん、売却対象となる設備・美品の一覧を作り、専門業者へ手渡しましょう。担当者と相談しながら作ったり、時間がなければ一任するのもおすすめです。
しかし、リストを間違えると売買時にトラブルを生みます。新オーナーへ譲るものと、ご自身で処分(売却)するものは明確にしておきましょう。

③貸主の承諾

居抜き売却する物件の多くは賃貸物件です。物件オーナー(貸主)の許可なく勝手に話を進めてしまうと、契約違反で賠償金を請求されるリスクがあります。
居抜き売却する時は、必ず貸主へと相談や連絡を行い、許可を得ておきましょう。

貸主からの許可を得たら、賃貸借契約書の内容に沿って居抜き売却の手続きを進めていきます。
原状回復に関して貸主に対して相談し、造作譲渡の承諾を得ましょう。原状回復は賃貸借契約書に義務が明記されており、貸主の許可を得ない限り居抜き売却できないようになっています。
このため、造作譲渡の承諾を得るまでは一つのハードルとなるでしょう。もし貸主と交渉が難航しそうな時は、専門業者へ相談するのがおすすめです。

④買取希望者の募集

無事貸主から造作譲渡の承諾を得たら、居抜き物件の売り出しで購入希望者(買い主)を募集し、どんどん内見に来てもらいましょう。
もし専門業者へ依頼する場合は、個別に媒介契約を結ぶ必要があります。
ただし、媒介契約は種類があるので注意が必要です。

媒介契約とは、不動産会社などに売買取引の全般を一任するもので、一般・専任・専属専任の3種類があります。
ご自身で買い主を見つけたい場合、一般または専任媒介契約を結ぶことになるでしょう。
契約期間は一般に3ヶ月です。一般媒介契約以外は、業者が販売状況などを定期的に報告してくれます。そのため、募集前にどの媒介契約を結ぶか検討しておきましょう。

⑤新出店者と貸主の賃貸借契約を締結

希望者が現れ、購入が決まったら居抜き売却も最終段階です。買い主との間で価格交渉などを実施し、成立したら賃貸借契約を締結しましょう。通常は業者が仲介を行いますが、相違が生じる可能性もあります。交渉前に詳しい条件を明確にしておき、業者に伝えておきましょう。物件の引渡し時期はもちろん、譲渡する設備・美品などを取り決めが必要です。

⑥店舗の引渡しと造作譲渡代金を受け取る

賃貸借契約を締結したら、契約に沿って店舗を引渡します。
条件の相違はありませんか?設備などの状態も問題はないでしょうか?
最後の最後まで気を抜かず、確認しておくと良いでしょう。

店舗の引渡し後に造作譲渡代金を受け取ります。もし金額を確認し、間違っていれば業者へ連絡しましょう。

閉店時は居抜き売却も検討を

代金を受け取れば居抜き売却は完了です。売り出しまでの手続きが複雑ですが、通常は業者がフォローしてくれます。
居抜き売却はリスクが低く、最低限の費用で閉店できる手段です。もし飲食店を閉じる時は、居抜き売却も検討してみると良いでしょう。